てぬぐい製作の知識

ここでは手拭い制作の工程を通して、それに関わる解説や補足する情報などを解説して行きます。オリジナルてぬぐいを製作する上で、知っておいて損はない情報をまとめいています。楽しんでご覧ください。

基本的な製作の工程

染料によって、様々な染め方がございますが、ここでは注染を例にとり、基本的な制作工程の流れを解説いたします。

  • 1:型置(板場)

    まずは板場とも呼ばれる、型置の作業です。手拭いには、オリジナルのデザインをプリントするので、まずは生地に糊を付けなければなりません。ここで使用される糊は、海藻や餅粉などで出来ている、天然素材です。

    この糊付けは、伊勢型紙と呼ばれる職人の手によってデザインを刻まれた型紙を、活版印刷などの謄写版の様に、糊付台の上に敷いた生地の上に載せ、上から防染糊をヘラで塗り、1枚の手ぬぐいサイズごと(約1m)に生地を折り畳み、糊を付けます。この糊付けと折り畳みの作業を1反に付き12回繰り返します。

    3~4反ほど同時に上記の作業を行い、糊付台から染め台の上へ運ばれ、この工程は終了します。なお、この糊付けに際しての生地の折り返しは非常に難しく、細かで繊細なデザイン程、高い技術が求められます。

  • 2:そそぎ染(壺人)

    染め台の上に移された糊付けの済んだ生地を、今度は染め上げる為に壺人とも呼ばれる、そそぎ染の作業に移ります。

    このそそぎ染は、染め台の上に置かれた生地の上に染料を十分に注ぎ込み、しっかりと浸透させてあと、生地を反転させ同じ要領でこちらの面にも浸透させます。こうして生地の表と裏、どちらの面も染め上げるのが注染の特徴でもあり、そそぎ染の特徴でもあります。

    今もなお、手作業で行われるこの工程は、機械では醸し出せない職人らしさ、就いては人間らしさを自然と表現する色合いや味わいなどを感じさせる工程になります。

  • 3:水洗(浜)

    そそぎ染が終わりますと、今度は浜とも呼ばれる水洗の工程に入ります。

  • 4:乾燥(立干し)

    しっかりと水洗が終了し、綺麗に染め上がった生地を完全に脱水する為、遠心分離機に掛けます。

    その後、天日乾燥や室内での乾燥設備、または風通しの良い場所での自然乾燥を行います。その際、立干しと言う生地1反分を、そのまま上から吊るして干すと言う工程を致します。その後、ご指定の寸法で1枚の手ぬぐいサイズに切り分けられ終了です。