顔料と染料の違い

手ぬぐい製作では、顔料プリントそして、染料を用いた注染や反応染めを使用します。ここでは印刷方法としての顔料と染料の違いについて、解説しております。

顔料

顔料の主だった特徴を挙げると、以下のようになります。

  • 1)インクを手ぬぐい生地の上に乗せて、色を付ける。

    注染は、その製作の手ぬぐいの工程上、必然的に起こってしまう味わいが人間らしさを生み、人気のある染色方法になります。機械ではなく、人間の手でプリント印刷を行っている為、100枚作成しても、全く同じ状態で出来上がる物がなく、それが温かみと感じられる部分になります。

    顔料プリントは、インクを素材内部に染み込ませる訳ではなく、表面に色を乗せて印刷すると言う方法をとります。その為、仕上がりぐらいインパクトがあります。

    また、生地の上にインクを乗せて固着させているので、強くこすり合わせたり、洗濯したりすると、色が剥がれ落ちてしまう原因にもなります。

  • 2)手拭いにプリントした時点で発色しているので、素早く安く生産する事が出来る。

    顔料プリントは素早く乾く為、効率の良い生産が可能です。その為、こうした手拭いなどの制作をする場合、大量枚数の作成に相性が良い印刷方法だと言えます。

  • 3)水には溶け難く、紫外線にも強い為、耐光性や耐水性が高い。

    元々、岩や土を微細化し作られていたので、頑丈な性質を持っています。現在では合成金属化合物や石油化学合成による顔料が使われています。インクになった状態でも粒子が完全に溶けきらず残っているので、インク全体に色が溶けている訳ではなく、色が混ざっている状態になります。

  • 4)透明度が低く、色を透過しない。

    インクを生地の上に乗せているので裏抜けしにくく、下の色を透過し難いです。また光沢のある生地素材に塗布した場合、その光沢性は失われる可能性がございます。

染料

染料の主だった特徴を挙げると、以下のようになります。

  • 1)インクを手ぬぐい生地の中に染み込ませる事で、色を付ける。

    染料プリントは、インクを素材内部に染み込ませて、色を印刷すると言った方法をとっています。その為、若干くすんだ感のある仕上がりになる可能性もございます。また、生地の内部を染めているので、色は保全されます。

  • 2)手拭いにプリント後、蒸しや水洗いと言った発色工程が必要となり、完成まで時間を要する。

    染料プリントは、鮮やかな色を発色させるために、蒸しや水洗いなどの工程を何度か行う事でようやく完成と言う事になります。その為、こうした手拭いなどの制作をする場合、記念品や物販、贈答用などに最適な、高級感を感じさせる一品の作成に向いた印刷方法です。

  • 3)インクは水や油に溶けやすいが、完成された手ぬぐいは洗濯に強い。

    元々、植物や花を使って作られており、現在は合成染料を使っています。水や油に弱くインクになった状態では、粒子が溶けてなくなっている為、液全体に色が付いた状態になっています。生地を繊維の奥から染め上げている為、洗濯に強いのが特徴です。

  • 4)透明度が高く、色を透過しやすい。

    透明度が高く、色を何色も重ねて表現する事が可能になる為、写真の様なデザインであっても再現する事が可能です。また繊維の奥から染め上げている為、生地本来の光沢感などを損なう事はございません。