手ぬぐいの端のつくり

日本古来の紋様や家紋が印刷作成され、日用品から伝統工芸品としての地位を獲得している手ぬぐい。上質な仕立てのものが販売されているのに、なぜかどれも端が切りっぱなしです。

この不思議な制作仕様にはどのような理由があるのか探って行きたいと思います。

早く乾き、衛生的であるために

手拭いは必ずしも端が縫製されている必要性はありません。

切りっぱなしであることで、縫製された状態よりも繊維内に空気が入りやすくなり早く乾きます。雑菌は湿気のある場所に繁殖しやすいため、布地は出来るだけ早く乾かした方が衛生的に良いのです。

さらに、オリジナル格安手ぬぐいの切りっぱなしは割きやすくする為という理由もあります。いざという時に包帯やマスクの代わりとなってくれます。

そのため昔から日本人にとっては身に付けておくべきものとして、浸透しているのです。

てぬぐいの作成方法に起因

手拭いを激安で特注製作する時は、20mくらいの長い生地をプリントデザインに合わせて折り畳みながら糊付けして行きます。

この状態の生地に染料が注がれて着色する方法が一般的です。

オーダーデザインが染め上がった後も、まだ裁断作業にはなりません。

長い反物の状態のまま一旦洗いの作業に入り、糊と余分な染料が落とされます。

その後乾かすために高所に吊るされて天日干しされます。

そして、シワを伸ばして一枚の手拭の手拭いの長さに畳まれていきます。

綺麗に端がそろった状態の手拭い生地は、両端を指定のサイズにカットされていくのですが、この時に切りっぱなしが出来るのです。