手ぬぐいの柄と紋

ここ数年、手ぬぐいを扱う専門店や文房具屋などが増えています。それに伴い、ハンカチやタオルとは比べようもないほど、豊富な柄を持つ手拭いの魅力にハマる人も増加しています。

その為、オリジナルてぬぐいを制作しプレゼントする方も増えています。また、大変喜ばれています。

ここでは、手ぬぐいライフと題しまして、てぬぐいの魅力から正しい洗い方、お手入れ方法などをご紹介いたします。

  • 唐草模様

    唐草模様

    手ぬぐいの端が切りっぱなしである理由の一つに、まず衛生面が挙げられます。端が切りっぱなしなので、水はけが圧倒的に良く、驚くほど乾きやすいです。また日本の風土が高温多湿であると言う点から、端を折り返し縫い付けた布ですと水で濡らした際、乾きが遅くなり雑菌の繁殖を助けてしまいます。

    現代の日本では、洗濯技術や乾燥技術も遥かに進歩していますので、上記の様な心配はございませんが、手ぬぐいを万人が日常的に使用した江戸時代などでは、ちょっとした事で不衛生な状況が生まれやすかったと言う事を考えますと、この切りっぱなしと言う発想は非常に理にかなっていると言えます。

  • 矢絣模様

    矢絣模様

    矢羽をイメージした模様です。江戸時代には、御殿女中の着物に良く使用された柄であったり、結婚の際には射た矢は戻ってこないと言う事から、縁起を担いで、結婚の際に矢絣柄の着物を持たせる事があった様です。

    また明治や大正時代には、女学生の間で矢絣模様のお召と海老茶色の袴を組み合わせ事が流行したそうです。これは現在にも受け継がれ、大学の卒業式などでは矢絣模様をデザインした着物は人気があります。

  • 市松模様

    市松模様

    格子模様の一種で、その中でも良く目にするものが市松模様です。基本的な組み合わせとして、二色の四角形を交互に配した、チェック模様の事になります。

    江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松が舞台で小姓の役柄に合わせて、身に着けた袴のデザインが市松模様だった事から、着物などに柄として広く使われるようになったそうです。

  • 豆しぼり

    豆しぼり

    もしかしたら、一番有名な手ぬぐいの柄はこの豆しぼりなのかもしれません。非常に代表的なデザインです。豆粒の様な可愛らしく愛らしい、小さな豆の様な模様です。

    ドットにも見えます。また火男を演じる時に、演じ手が被るてぬぐいは、この豆しぼり模様になります。

  • 渦巻模様

    渦巻模様

    複雑に絡み合う波や風、はたまた空気さえも混ぜ合わして飲み込んでしまうかの如く描かれた渦巻き模様になります。単に渦巻き模様と表しましても、様々な描き方がございます。

  • 青海波

    青海波

    元々は、中国青海地方の民族模様から始まったとされる模様で、それが日本では舞楽や雅楽の衣装や装飾として使われ、広まったとされています。半円を三つ重ね、波の様な揺らぎを感じさせる、とても優雅で秀美な模様であると言えます。

  • 観世水

    観世水

    流れる水、悠久の時を流れ続ける水をイメージした模様です。流れる水は腐る事がなく、常に変化し新しく生まれ変わり続けていると言う事で、何処か神秘的な印象を受けます。

    水は形無き物であり、時間その物の移ろい飲み込んでしまう様な力を持っている為、永遠や無限などを感じさせる模様です。能楽の観世家が定紋に使用した事から、この名前になったと言われています。

  • 桜模様

    桜模様

    ちょっと趣向が変わり、日本の象徴は富士と桜だと思いますので、桜模様を取り上げてみました。様々な色合いを持った桜模様と言う物がございますが、やはり桜の鮮やかさや綺麗さを表現した、桜色の模様がもっともスタンダードだと思います。

    手ぬぐいに問わず、着物でも桜模様は頻繁に取り入れられています。

  • 縞模様

    縞模様

    英語ではストライプとも言われる、純粋な縞模様です。永遠をイメージさせる命のシンボルとして、江戸時代から人気がある模様です。現代では、様々な形の縞模様があり、今でもその人気は不変であると言えます。

  • 麻の葉

    麻の葉

    麻の葉は、日本独特のデザインだと言われています。日々育つ麻をイメージして図案化された模様になります。魔除けや丈夫に育つ事を願い、産着などの柄として用いる風習もあります。

    平安時代から続く模様で、江戸時代に歌舞伎役者、岩井半四朗や嵐璃寛が、麻の葉模様の衣装を使用した事で広く流行りました。

  • 五つ葉木瓜

    五つ葉木瓜

    織田瓜とも言われる織田信長を用いた家紋になります。基となっている木瓜紋は胡瓜の切り口を模して作られたとも、卵の入っている鳥の巣から作られたとも言われています。

    またそんな巣の形に姿が似ている事から、子孫繁栄を意味する家紋となっています。

  • 三つ葉葵

    三つ葉葵

    三つ葉葵と言えば、徳川の紋です。この紋の原形は二葉葵と言われています。何よりもこの紋を有名にさせたのは、某時代劇である事は間違いないでしょう。

  • 五七の桐

    五七の桐

    現在でも、数多くの場面で目にする事が多い、豊臣政府が用いた家紋です。桐花紋とも呼ばれています。

    足利幕府では小判の柄などに用いられていた事から、豊臣政府や足利政府、皇室、また現在では日本国の紋章としても、使用される家紋となっています。

  • 四つ割菱

    四つ割菱

    武田菱と呼ばれる、有名な家紋です。武田家が古くから用いている家紋の為、武田菱としての呼び名が世の中には広まっております。

  • 上杉笹

    上杉笹

    笹紋とも言われ、元々は鎌倉時代、勘修寺家が車紋として用いていた家紋でしたが、そこから分かれる形となった、上杉家も家紋としたことで、上杉笹の名で広く知れ渡る結果となりました。

  • 六文銭

    六文銭

    真田家の家紋として有名な六文銭です。三途の川の渡し賃としても知られる六文銭ですが、本来は戦時での旗紋でしたが、江戸時代に入り、語り継がれる話の中で真田家の家紋として広まりました。

  • 竹に雀

    竹に雀

    伊達家の家紋の一つである、竹に雀です。一つと言うのは、伊達家は多くの家紋を持っている家なので、その中の一つと言う認識が正しい家紋です。

  • 大一大万大吉

    豊臣五奉行の一人、石田光成が使用したとされる有名な文字紋です。万民が一人のため、一人が万民のために尽くせば太平の世が訪れる。との意味が込められた紋です。

  • 一文字三つ星

    あの有名な三本の矢の話をそのまま模したと言える、毛利家の家紋です。オリオン座の真ん中に直列する三つの星を表現していると言われています。

  • 桔梗

    秋の七草の一つとしても有名な桔梗を紋にした桔梗紋です。明智光秀や加藤清正などが用いたとされています。美濃の土岐氏の家紋としても広く知られています。